* ぶらりと書泉に行ったら、以前週刊将棋かなんかで見ていた本が転がっていたので、手に取ってみました。「注釈　康光戦記」という本です。

* 立ち読みしていると、局面局面で「この変化は自信がない。その理由は・・・」という風に書かれていて、感想戦を見ているよう。実は雑誌等の自戦記ではこういうのが読めるのですが、今まであまり気合いを入れて読んだことがありませんでした。これが読んでみるとおもしろいのです。まぁ私は佐藤さんが考えていることの1000分の1もわからないわけですが、それなりに注もあるので並べてみれば999分の1くらいはわかるかもしれません。

* 結局買ってきたのですが、決め手となったところは別にありまして。
著作権法違反ですが、引用してしまいます。言い回し自体に佐藤さんの人となりが出ていて、別の書き方が思いつきませんでした。

* 「パソコンといえば、最近頭に来ることがありましてね。〜控え室にいた私が詰みを発見して、『詰みがある』と言ったら、『じゃ、パソコンにかけよう』。誰が言い出したということではなく、控え室全体の雰囲気がそうなんです。これは頭にきましたね。私が詰むと言っているのに、どうしてパソコンを持ち出すんですかね。プロとしての存在を否定されたような気持ちになりましたよ」
「そんなに怒らなくても・・・プロの勝ちはそんなところで決まらないでしょう？」
「それでも頭にきました。ぼくは嫌です。」

* 子供っぽいようですが、これがプロのプライドだと思います。もちろんこんなことを言うためには日々その名に恥じないよう行動することが必要なわけですが。

* 羽生さんを始めとして現在の現役棋士はみな個性があって興味深いのですが、今日から佐藤さんはいっぺんに好きになりました。応援します。