日記:99年8月

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<99年8月の主な出来事>
一社目,卒業!!
突然ダイエット。5年ぶりに73kg台に復帰



8/2
[360度評価]
今日は総研系コンサルティング会社Mの面接。内容は非常によくある定型的な日本企業の面接で、「コレは学生向けの面接か?」と思うほどに、大学に進学するころのことから順を追って聞かれ、肝心の「何ができるの?」にはあまり突っ込まれなかった。面接回数が多めだということから、まあ初回である今回の内容はバックグラウンドのバックグラウンド、おおざっぱな為人を知ることが目的だったのかもしれない。
まあこの面接に通っているかはおいておいて、非常に興味深かったのが、プロジェクト毎の評価の話。M総研では、プロジェクトが終わるたびにマネジャーからスタッフまで集まって、各人の貢献度を評価しあうのだそうだ。いわゆる360度評価というヤツで、これを一年間積算したものがその人の年次評価の大部分を決めるらしいこの制度は、いろんな業界の中でもかなり先進的な部類に入るはずだ。360度評価もどきを採用している他社でも、部下による評価は被評価者の上位評価者が参考にする程度という導入例がほとんどである。
その理由はもちろん衆愚政治を避けるためで、たかだか数年しか働いていない部下が上司のマネジメントを評価したところでせいぜいおばはんの愚痴くらいにしか聞こえないというのが通常の捉え方である。
その部下評価がまかり通るにはいくつかの条件がある。

 
  1. 部下と上司の能力が非常に接近しているか、最上位の人間が業務全体の内容と意義を最下位のスタッフにまで周知しており、全体の成果について完全に理解の一致が取られていること
  2. 上司と部下が互いに評価しあうに当たり、評価指標にプロジェクトの成果及び生産性に対する貢献以外の要素(ぶっちゃけた話好き嫌いや感謝・私怨の類)を加味しないこと
 

これら二つが、その結果が金銭に跳ね返るという現実の前でなお成り立っていることが条件であり、それは

 
  1. プロジェクトに対するプロフェッショナル意識を持っていること
 

と言い換えても良い。つまるところ、「お互いプロなんだから、やってもないことに対してお金もらおうとすんなよ」という共通認識を持つことが必要であるということだ。
M総研はどのようにしてこれらの条件を満たしているのか。1.に関しては、最上位者がマネジメント方法を工夫し、メンバー間にチェック機能が働けば良いようだが、2.の方は多分にメンバーの人間性に依存する。M総研の組織はまだ数十名程度と小さく、またストレスを蓄積しないワークスタイルを取っているように(前回社員の方と話した時に)見受けられることから、互いに他意を持つほど仲が悪くはなっていないということが今のところ成功している理由の一部でありそうだ。
また、組織が小さく個人商店に近い意識を持っていることから、個人が各プロジェクトに対して非常に高い「プロとしてのプライド」を持っている(3.を満たしている)ということも考えられる。多少の買いかぶりはあるかもしれないが、一つ一つの契約つまり報酬単位に対して自分が負う責任範囲が大きくなるに従って、仕事に対するオーナーシップやプライドが高まるというケースは多い。
ともあれ、非常に興味深い評価制度の実例を間近に見て、今日の帰りの電車は退屈しなかった。入社して実体験するのも悪くないだろうと思った。

8/4
[なんとか落ち着き先決定。]
タイトルにもあるように、最終面接の結果待ちだったコンサルティングファームAの内定がやっと出た。一安心・・・

8/8
[借金経営]
今日京都から帰ってきたのだが、この先の財政状況を予測してぞっとした。明後日結構な額がカードで落ちるのだが、そのための資金はカードローンで準備したもの。ということで退職金が入るまではまたしばらく借金生活ということになる。
以前にも何の気なしに借金を作ってしまったことがあったのだが(この間のボーナスで一気に返済した)、今回はいつから赤字になるのか分かっているだけに恐怖感もひとしおである。サイフを見るたびに「今○○万円アカ入ってんだよな・・・」と思わずにはいられないため、ここ数日カネにかなり辛くなり、ダイエットの方にも効果が出ている(食費とか交通費とかが減るのでカロリーの収支が良い)。いつもボーナス食いつぶし型の浪費をしていたのだが、どうも今回はいろいろ出歩きすぎたらしい。ちょっと反省しているので、退職金を20万円残すことを目標に一応節制をこころがけてみることにするが・・・できんのか?

8/11
[ダイエットのコツ。]
「ダイエット日記」が始まって一週間が過ぎた。それなりの効果は出ていて、なんとなく73kgも夢ではないような気がしてきた。どうも胃が小さくなり始めたらしく、今日は「普通の食事でおなかいっぱい」を生まれて初めて体験した。この一週間、自分なりに心がけていて、そこそこ効果が出ていそうなことを書いてみよう。

1.余分な水、食料を取らない
これを心がけてよく分かったのだが、どうも人間そんなに食事や水が必要なわけではないらしい。「ちょっと欲しいな」と思うたびに飲み食いしていたのだが、我慢を初めてその頻度の高さに驚いた。このささいな積み重ねが筋肉に余分な水を吸わせ、脂肪を蓄積させるらしい。
2.エアコンはつけず、自然な汗をできるだけ出す
今は夏ということもあって特に効果的なのだが、カラダに水の余っている人間はちょっと暑いだけでもかなりの汗を出す。いつかの日曜日にエアコンを消して4〜5時間程度で500kgも減ったし、寝ているときなども効果てきめんだ(ベッドは濡れるけど)。人間寝ている間に1kgの汗をかくというのもウソではないようだ。
3.ちょっとでも運動する
運動というとたいそうなことのようだが、1年半エアコンの効いたクルマでクルマ通勤をしていた私にとっては、たかが通勤電車でも結構汗をかく運動である。ほかにも、エアコンの効いたタクシー/バスに乗る代わりに歩く、電車ひと駅〜ふた駅分歩く(私は日比谷公園から東京駅まで歩くことがよくある)などでも普段運動していない人間は心拍数も結構上がるし汗も出て効果的だ。
次の目標は74kg台。一週間くらいで行きたいなぁ。

8/14
[国歌を歌わないヤツは退場!?]
どうも、タイトルのようなことが決まったらしい。いまいち背景を理解していないので自信を持って言えるわけではないのだが、どうもまともなことを言われている気がしないので書くことにした。
いわく、「国や地方自治体の主催する式典で国歌を歌わず、式典の進行を妨げる場合は主催者は退場を命じることができる」だそうだ。基本的に国民をやっている限りは、税金を払って法律を守る義務と引き替えにその国に居住し福利厚生に関する政策の恩恵を享受する権利があるのだが(ちなみにそれ以外のことに関しては自由のはずだ)、この義務に「警察の職務を邪魔しないこと(公務執行妨害)」と類した「国歌を歌うこと」の一文が書き加えられたということなのだろう。
まあ、私は別に国歌を歌っているフリをすることくらいはしてもいいという程度でしかないし、国や地方自治体の式典なんかに縁はない。今回の議決も、要は「なんで国歌なんか歌わなあかんねん。歌わない自由だってあるんちゃうんか」と、心の中で言うだけでは満足せず騒ぎ立てる輩を除くためにできたのだろうが、「国民栄誉賞を与えたい人が君が代大キライ派だったらどうなるんだろう。ひょっとして、賞の選考基準に『君が代が好きであること』が入ったり、死んだ後に好きでもない君が代をバックに授与されたりするんだろうか」と、縁も詮もないことを考えた。まあ、「歌う義務」なんて、字面にしただけで正気の沙汰とは思えませんな。
私はそんなにこの手の話が得意ではないので、「そんな見方じゃ視野が狭すぎるぞ」という方、ぜひご指導ください。

8/15
[起業家ダマシイ]
ちょっとタイミングを外してしまったのだが、金曜日にウチの会社を辞めて設立一年くらいのベンチャーに移ったヤツと会ってきた。噂に違わず非常に生き生きしていてうらやましかった。最近は後輩たちの中にもビジネスを始めようというのが多く、興味深く見させてもらっている。
彼らを見ていて共通しているなと思うのは(と言いつつ当人から聞いた話でもあるのだが)、金儲けをしたいのではなく、そのビジネスそのものをやることに大きな意義を感じている、ということだ。私がビジネスをやってみたい(最近「やりたい」というのがおこがましく感じられるようになってきた)のは、組織を運営したいとか、提携とかセールスとかのドロドロした戦術を実際にやってみたいという理由が非常に大きい。ぶっちゃけた話、それがどんな商売でもいいというところがあるのだ。
聞いたところによると、ベンチャーキャピタルといえども本当の立ち上げ時期のカネ(シードマネー)はなかなか出さないということらしく、初めは自分のカネでやる(言い方は悪いが)道楽として始めるしかないらしい。自分の道楽のために500万なり1000万なりを突っ込める人間がどれだけいるのか?年収2000万円の人間じゃない、親の遺産を持っているわけでもない、普通の会社員として年収500〜700万円程度しかもらっていない人間がNSXなんてそうは買うまい(600万のアルピナを2台ローンで買ってしまった後輩Kのようなヤツもいるが・・・)。
自分がやりたいことをやれる場所を「探す」人間でしかない雇われの私と自分がやりたいことをやれる場所を「創る」彼ら起業家たちとの間の気宇の差に、心から羨ましいと思いつつ『ホンマにこんなんでええんか?』と考える今日この頃である(ということで就職先が最終決定しないのだ・・・)

8/18
[痩せるぞ!!DDR]
ついにと言うかなんと言うか、今日はプレステ用DDR(ダンスダンスレボリューション)を専用コントローラーごと買ってきた。ゲーセンでも全くやったことがなかったのだが、他の音楽ゲー同様難しい!!リズム感うんぬん以前に、決まった通りにカラダを動かし続けるというのが私にはむちゃくちゃ難しいようだ。30分ちょっとやって、まともにイケたのは3曲くらい。「慣れ」のゲームではあるので、まあクリアできないとは思わないのだが、少なくとも今のままでは人に見られたくはない。
そんなことはともかく、このゲームの偉大なところはダイエットにいいということだ。深夜におっさんがマットの上を飛び跳ねているというミバエは想像してもらいたくないが、そこそこに息も上がって結構な汗をかく。よくよくパッケージを見ると『練習に、遊びに、ダイエットに!!』だそうだ。まさしくその通り。私はスポーツクラブに行っていたときに少しエアロビもやったことがあるのだが、コレの上級の曲は軽いエアロビ程度にはカロリーを消費しそうだ。毎晩とは言わないけど、密かにやろ。でも、さすがにゲーセンデビューする気にはならないなぁ。

8/19
[とりあえずノーミス1。]
今日も家に帰ってDDR。さすがに結構慣れて、ノーミスで1曲だけできた(あと、一応normalはクリアできるようになった)。実はノーミスだけならあんまり難しくなく、知ってる曲ならいけるはずなのだが、つまらん踏み損ねがあってなかなかできない。そこらへんをちょっと直しつつ、無理なく(ついでにちょっと粋に)踏めるようにちょっとづつステップを考えてやっている。おもろい!!

8/20
[完敗。]
今日は卒業以降初めて本気で麻雀を打ってきた。結果は完敗である。
私の古い友人が集めた、「命賭けて打つなら絶対選びたくない相手」だそうで、私も何度かやったこともあり最近似たようなメンツで大負けしているため本気で打とうと決めていた。点数の勝ち負け、チップ、駐車場代あわせて2万円という大負けだが、内容には結構満足している。集中した分工夫はしまくったし、ミスも5、6回程度だったと思う。学生の頃は3回ミスするとまず勝たせてもらえず、1〜2回だとまあ勝てるというくらいだったのでだいたいそのころと同じレベルの相手だったと思う。適度に緊張感があって非常に面白かった(途中1時間くらい集中が緩んだのにはトシだなぁと思ったが)し、充実していた。こういう連中と打っていればもっとカンも戻ってくると思う。まだ誰がいつ何点くらいで和了るのかも分からない程度なので、もっとリハビリしたい。また集めてくれ。C。

8/23
[どこからともなくエグゼクティブサーチ。]
今日は突然見知らぬ人からメールが飛んできた。初のエグゼクティブサーチ、いわゆるスカウトである。案件の内容については、ちょっと身の回りの人に聞いてみたところあまり良さそうではないが、大事なのは、連絡したこともないところに私のメールアドレスが割れていたこと。実は先月のアタマに人材紹介会社に登録しまくったのにはこの狙いもあった。この先もいい案件があった時に呼んでもらえるよう、継続的に人材市場に流れている私のキャリア情報を更新しておかねばなるまい。まあ、誰もが知ってるヒトになってしまえばそれが一番なのだが。

8/26
[衝動買い]
昨日の昼間、後輩と何を話していたのか忘れてしまったのだが、昼食を取った後いつの間にかデジカメを買っていた。昨日はちょっと余裕がなくて今日やっと使ったのだが、面白い!!私はくだらないことにこのページに載せる作者近影を撮ったのだが、普段写真なんか全くと言っていいほど撮らない私のこと、どうもいまいちである(その後輩に撮ってもらったのもイマイチだった)。それはまあいいとして、ちょっと気が向いたヤツを撮って、見映えを見てマズければすぐ消して撮り直せるというのは非常に便利。あと3日お勤めしたらしばらく無職だし、クルマにコレを積んでふらふらと歩き回ろうと思う。ついにこのページにも画像が入る日がやってきましたよぉ。

8/28
[ハイリスク・ハイリターン]
先日受けたエグゼクティブサーチの面接に今日は行って来た。実は以前落ちた某社なのだが、こんどはぺーぺーの人事担当者ではなく上の方に直接会わせていただけるとのことで、チャンスが全くないというわけではないらしい。
受けてみようかどうか、正直言って迷っているのだが、特筆すべきはその莫大な報酬額。年俸そのものは結構低めに押さえられるのだが、支度金としてその50%程度の額が準備されることと、年間400株分のワラント(発行時に決められた額で株式を購入できる権利。株が上がった後に行使して売れば差額分儲かる、ということ)が与えられるのがスゴイ。普通の会社なら400株くらいなんてことないのだろうが、この会社の株価はここ半年でウン万円上がっており、この先落ち着きはするだろうが2年くらいあればあと1、2万は上がってもおかしくなさそうだ。運と実力次第では2年程度で独立の資金が貯まる可能性があるということで、これまでにないおいしい話である。
リターンが凄まじいのはいいのだが、リスクもまたそれなりに大きい。そもそも実業、しかも企画で本当に会社に直接的に利益をもたらす貢献ができるかどうかにまず自信がないし、失敗すればすぐに首をすげ替えられるだろう会社でもある。そこで気がついたのが、未だに「どう転んでもある程度のオカネをもらって働くことはできる」という確信が持てないでいるということ。一旦コンサルティング会社で(本当の意味での)マネジャーになれれば安心できるとは思うのだが、まだそこまでは行けそうにない。
どうもこの先2、3年はまだ足場固めと資金準備に使われてしまいそうだ。まあ、「三十にして立つ」に間に合えばいいとも言えなくはない、か・・・

8/31
[始まりの終わり。]
ついに訪れた退職日。
感慨深げになるかと思われたが、結局最後にPCを返しに行くタクシーの中で初めて「ああ、終わりなんだなぁ」と思った程度だった。開放感はこの上なく大きく、とりあえず体重は気にせず飲むことにした。
今日までの会社は、学生だった私をそれなりの社会人にしてくれた。41ヶ月という期間だったが、一般の会社に進むよりは結構早い成長だったのではないかと思う。たった一つ、在職中のほとんどの期間世話になった上司に会えなかったのが残念だが、もう気分は明日以降のコトでいっぱいだ。いつか恩返しをしなくてはと思いつつ、今日は寝る・・・



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