日記:99年11月
<99年11月の主な出来事> 1000カウント達成!!どうもありがとうございました!!! 郡山へ!! 11/3 11/4 今日昼ご飯を食べている時、近くの大学の先生と若い(20歳前に見えた)学生2人が隣で食事をしていた。その時の話題を横で聞いていたのだが、『大学受験の問題なら何でもわかる』という天才学生が家庭教師をやっていて(確かそんなにすごい大学はここらへんにはなかったはずだが)、『ルート6(6の平方根で、水戸街道ではないが無理数であることを示せ』という問題が出て質問を受けたところ、解き方がわからずに困ったという話をしていた。その後「どうやって示すんですかねぇ」とか「たかが推薦入試の問題でこんなのが出るかぁ」とかいろいろ話していたが、私も確かにこんな問題を解いたことがある。たしか非常に簡単な部類の問題だったはずだが分からない。「有理数でないことを示せばいいのだからとりあえず2つの整数でm/nと書けて、なんか矛盾が出るはずなんだけど・・・」とそこまでは思いついたのだがどうしても矛盾の出し方がわからない。 「もうわかんないから本屋さんで参考書でも見に行こう」と決めたのだが、本屋に行くまで非常にそわそわしていたのがおもしろかった。結局分かったのはとあるホームページに行ってからで(近くの本屋にはには参考書はなかった)、mとnが互いに素な素因数であることの矛盾を出すと言うことで証明するそうだ。ちなみに、『高校の教科書によく載っている』というレベルらしい・・・だいぶショック。 本屋に行く間(どんなに考えても思いつかなさそうだから)ヒマなので自分のアタマの使い方を考えてみたら、結局数学の証明は「課題の対象の一番珍しい属性を見つけて」「その属性が持つ性質をリストアップして」「課題解決に結びつく性質を選んで」「論理的に不整合のないように説明する」というプロセスを練習するものだったのだなぁと思った。ネタと表現方法が違うだけでコンサルティングもやっていることは同じ。これだけで食っていけるし、数学的思考ってこういうことなのか、と思った。 ちなみに、いくつかのホームページには非常にマニアックな記事(学生の時大数マニアだったような人が来てるんだろうなぁ)もあり、素数を導く多項式には26変数25次のものや10変数11281次のものがあるだの、どうでもいいけど私にはちょっと興味深いことが載っていた。うーんディープ。 11/6 確か前にここにも書いたと思うのだが、私はここ数週間尿管結石を患っていた。その後も痛い場所は移動して続いていたのだが、今日ついに出血と共にお目見えした。大きさは、長いところで1cmくらいはあるだろうか。こんなのが体内にあれば流血するのも激痛があるのも当たり前だ、と思うほどにどぎつい、水晶が石にまとわりついたくっついたようなカタチをしていた。とりあえずもう痛くない。私が抱える3つの持病の一つが、一時的になのかもしれないが治った。よかったよかった。 11/8 出張でこれから3ヶ月、福島県は郡山で仕事をすることになった。着いたのは昨日なのだが、今朝買い物に行こうと思ってクルマを見たらびっくりした。一面の霧の上、フロントガラスが凍り付いているのだ。さすがの寒さ。息も当然真っ白だった。「よりにもよって真冬の3ヶ月に」というのが普通の感想のような気もするが、田舎者の私は結構気に入っていたりする。超クルマ社会でカー用品店や中古車販売店がごろごろしているし、いろいろとのんびりしているのでほっとしている。13週間程度の滞在になる(予定)のだが、週末をうまくつかって南東北をうろうろしておきたいと思う。とりあえずエビスサーキットとわんこそばだ。 11/13 郡山での一週間が終わった。ほとんど一人でパートを回すのは久しぶりで、しかも他のパートとの連携が極めて重要なパートなので、得意分野とはいえ難度はかなり高い。ちょっとミスったり後戻りがあったりして進行が一週間くらい遅れると大ダメージ、ということで結構緊張感がある。実は今年は結構ユルめの仕事が多かったのだが、久々に追いつめられる感じを味わっている。と思ったら今日の夜はなんかのトラブルを起こして半分くらいクビみたいな状態になる夢を見た。あー、夢でよかった。 11/14 リンク集の方に今月アタマに書いたように、ヒューメイアさんというところにお願いして独自のドメイン名(@の後ろに書く名前)の取得をしてもらった。たった今チェックとテストが終わったのでここに書くことにした。今日からここのURLは「www.hidehiro.com」である。いつもここに来てくれているみなさん、今後ともどうぞよろしく。また、メールアドレスもあまりにもありがちなアドレスを設定したので、こちらもヒマな人は試しに送ってみてはどうだろうか(こういうくだらないことを考えるヤツがいるから妙なトラフィックが発生するんだよなぁ・・・)。 なにはなくとも年賀状に間に合って、めでたしめでたし。 11/15 11/19 11/21 仕切り。いつも通り一見飄々とはしているが、武蔵丸にも久々に気合いが充実しているのが伝わってくる。貴乃花はいつも通り、一発勝負用の闘志がガンガンに満ちている。なんといってもほんとうに久しぶりの優勝争い、半年以上こんなに集中した貴乃花は見ていないような気がした。両者とも、仕切りを繰り返しながら心・気・体を充実させていく。現代最強の力士になっていく。 立ち合い。ほぼ互角の当たりながら、武蔵丸が差した右下手の上からがっちり貴乃花が上手を取った。(貴乃花から見て)右の差し合いはどうか。前褌(まえみつ)を取った。がっちり右四つ、頭をつけたのは貴乃花。まだ武蔵丸の顎は上がっていないものの、苦しい。 貴乃花の寄り。左上手は絞れないものの、右前褌を引きつけて武蔵丸のまわしを絞り上げる。武蔵丸、堪える。徐々に体がうわずってくる。寄った・・・残した。また寄った・・・残す。辛うじて差せている右下手を返し、貴乃花の力の半分を抜かせる。貴乃花の腰に、背中に、両かいなに力が入る。武蔵丸の全身の力が体の裏側に集まる。まさしく力人(ちからびと)。ここまで武蔵丸を寄りたてることができるのも、貴乃花の寄りをここまで残せるのも、地上にこの両者しかいないだろう。彼らは全身で、自分たちが現代最強の力士であることを証明し続ける。 武蔵丸の顎が上がった。もはや貴乃花の寄りを堪えるのに使える筋肉はごく僅か。足の裏側にその全てを集中するが、もはやこれまで。貴乃花、仕留めに行った。万全だ。左上手と、右前褌で武蔵丸の体を吊り上げる。寄る。さらに吊る。寄る。吊る・・・武蔵丸の体が右にずれた!!左足が俵を掴み、腰が、背中が一直線になって俵を突き放す。方向は?右斜め後ろ。すごいボディバランスだ。貴乃花の力は、左後ろに流されつつある。そして下にも。武蔵丸の右かいなが返った!!吊り上がっていた貴乃花の左上手から力が抜ける。脇が開ききってしまった。貴乃花が、平成最強の横綱がひっくり返った。髷が、精根尽き果てた顔を隠すかのように降り落ちた。幕内最高優勝は武蔵丸。 ・・・はっきり言って、技術的には見るべきものは少なく、武蔵丸は防戦一方、体力を絞り尽くして唯一の勝機を待ち、掴んだという結果になった。貴乃花は相撲(の技術の大部分)に勝って、勝負に負けた。しかし、両者が現代の力士の最高級の力を振り絞って戦う姿には我を忘れた。思わず仕切っている間に私自身がテレビの前で仕切っていたほどだ(笑)。昔千代の富士の四股を見ながら必死に足を上げていた頃を思い出した。近年技術を競う相撲が激減したと嘆く面も確かにあるが、野見宿祢と当麻蹶速(私は「すくね」と「けはや」・・・だったっけ?としか知らなかった。出典大相撲ホームページ。)の時代に天皇が、大衆が見たがった「すもう」とは、こうした力比べだったのではないだろうか。神話の時代より、人は単純に力のあるものに惹かれ続けてきたのではないだろうか。そんなことをふと思った、良い相撲だった。 11/23 街は祝日の観光の街とは思えないほど異常に静かだった。たぶんテレビもPCもつけていない私の自宅よりも静かだったろう。もちろん一番太い通りはクルマが行き交っているのでそれなりに音がするのだが、商店や民家から声が聞こえてこない。どうも、ここらの店では店内に有線を流すというのは一般的ではないらしい。静かな町並みをこのページのネタ等くだらないことを考えながら歩いていたのだが、心静まる優雅な時間だった。その時間が止まったようにさえ感じた。 さて、喜多方の街は市役所を中心とする、徒歩で縦横各5分〜15分程度の狭い街なのだが(市役所横のラーメン館にクルマを停めて歩いた)、さすがにラーメンくらいしか産業のない街だけあって、行けども行けどもラーメン屋。3万人ちょっとの人口の街に100数十件のラーメン屋があるらしい。これまたそこかしこに置いてある種々のラーメンマップの一つに「競争が激しいからみんな店主は研究熱心だ」という意味のことを会津弁で書いてあったのだが、それもピンキリらしい。私は3時間の間に3件はしごしたのだが、店によってチャーシューがいい、スープがいいという特徴はそれなりにあったものの、どこも飛び抜けておいしいというほどではなかった。ただ、並んでいる店はやけくそに並んでいて、昼時ということもあって推定一時間以上は待ちそうな店が2件あった。ここ(坂内(ばんない)食堂と阿部食堂)には行ってみる価値があるかもしれない。10時開店らしいので、それに合わせて行く必要があるだろう。それ以外の店はわざわざ遠出して行くほどではない(郡山からなら遠出ではないが)というのが私の感想だ。 そうそう、感想といえばもう一つ。もう今週はラーメンは食べたくありません・・・ 11/30 さて、今週来週と、シャレにならない寒さになりはじめた郡山を逃れて東京は恵比寿でSiebelというSFAツール(販売活動支援ツール)のトレーニングを受けることになった。朝は優雅に朝は10時(!!)から、夕方はもっと優雅に5時(!!!)まで、非常〜にのんびりとしたスケジュールで行われている。一言で言うと天国。 まさか私が(しかもこんな年になって)PCのトレーニングを受けることになるとは思いもしなかったのだが、インストラクターさんのプレゼンを見ながら気ままにPCを叩く生活はそれなりに楽しい。「毎日の業務を支援してくれる」という類のアプリケーションを使ったことのない私には非常に新鮮で、「あぁ、使い勝手ってこういうことか・・・」としみじみ感じながら使わせてもらっている。 もちろん会社のカネで出かけているからには何らかのカタチでフィードバックしなくてはいけないわけで、「どんなところが特徴かなぁ」「今までのとどう違うんだろ(今までのなんて知らないんだけど)」と講義そっちのけで考えていたりもする。とは言ってもプレッシャーは皆無に近い。天国と言ってしまった所以である。 また、そんなカタいこととは別に、昨日・今日の2日を担当したインストラクターさんの講義は非常にうまかったと思った。「どうせそこらで適当に雇ってくるパートくさいインストラクターなんだろうなぁ」と思っていたら、知識も結構なものだし、話し方や対応にもそれなりに自信を感じさせる、非常に好感度の高い先生だった。これが23〜4程度の若い女性。人材開発・管理フェチの私はどうやって教育したらこうなるのか非常に興味を持ったのだが、講義がハイペースだったのと私が内気だったのとで、どんな教育を受けたのかを聞き損ねてしまった。このトレーニング中に一度は捕まえて聞いてみよう。 |