* 冒頭の韓国語は先ほどいつも試合で遅くなった時にお世話になっているコンビニの店長さんに言ったセリフです。ホテルの人以外では、このおっちゃんと2〜3日に一度行っている定食屋のおじちゃんおばちゃんが私を覚えてくれているようです。意味はもちろん「おめでとう」です。
* 実は今日は全部をスタンドで見たわけではなく、電車の関係で後半20分から終了まではタクシーの中でラジオ、延長前半は大田駅のTV、後半は特急セマウル号のTV(衛星デジタル放送が1車両に4台の液晶TVで放送!)でした。それでも列車の中は大歓声。車掌さんも回ってきて大喜びでした。
* 実際、韓国は今日も各々の役割がはっきりしており、アイディアあふれる攻撃で何度もイタリア守備陣を抜いていました。そしてよく走る。プレスをかけてボールを奪った後、すぐにパスを回すためのポジションに戻るんですね。いつも少なくとも一つはパスを出すスペースがあって安定していました。トライアングルが薄くなりがちな日本とは対照的でしたね。テクニック・戦術面で日本より優れているのではないかと、同じTSTで3試合一緒に見ている日本人の人と話していました。
* あと、相変わらずサポーターはすごい。前の試合から中3日のはずなのに対アズーリ用の巨大な横断幕を作っているし、スタンドの大部分を覆う国旗、もちろん超・大歓声。「これぞホーム」という感じで、いつもいつも審判が韓国寄りなのもわかるような気がします。
* 今日の人文字はごらんの通り、「AGAIN1966」。アジア最高順位である北朝鮮のベスト8をもう一度というわけです。もちろん今の時代とでは価値が違いすぎますが、どちらもアジアのサッカー史に残る快挙には違いありません。日本は今大会、初勝利とリーグ突破を実現し、アジアサッカー界の兄貴分である韓国に追いついたと思いますが、また背中が遠くなりましたね。ほとんど同じようなメンバーで臨むであろう(大きく変わってくれればそれもうれしいですが)次回大会には是非追いついて欲しいです。
* ポルトガル・イタリアと倒した韓国の今後の相手はスペイン・ドイツ。両方倒してしまってもなんの不思議もありません。韓国で試合をする限り無敵なのではと思うほどですが、もし決勝進出なんてことになったら、決勝は本当に横浜で行われるのでしょうか。というか、行われるべきなのでしょうか?
* チームも強く、協会もTV局も新聞も国民も(おそらく日本よりも)盛り上げている韓国、十分に決勝戦を行う資格があると思いますが。昨日の深夜番組で日本での盛り上がり方をSBS・CNNで特集していましたが、どちらを見てもこちらのほうが盛り上がっているように見えます。日本の人口は韓国の2倍以上ありますが、「Be The Reds」Tシャツやバンダナ等サポーターグッズの売上数量は韓国の方が上なんじゃないでしょうか?
* ところで日本代表。私も日本人ですし応援しています。今日も大田駅では15時半から駅のTVの前に大勢の日本人が集まり、新聞紙を敷いて座り込みつつ応援しました。終わったあとはみな脱力感でいっぱいで、思わずチケットを売って試合を見ずにソウルへ帰ろうかと思ったほどです。
* 大幅にスタメンを変えた今日の前半を通じて、私の眼から見て問題になっている選手が3人いました。アレックス・西沢・稲本です。アレックスと西沢はほかの国のFWらしく、前線に待機してポスト的に動いており、稲本も積極的にチャレンジ→アタックに行っていました。要するに、DFのための組織を崩す選手が10人中3人いたわけです。日本は10人のほとんどを使ってプレスすることでリズムができるチーム、格上のトルコ相手にこれでは主導権など取れません。特に中央のカバーがゆるゆるになっていました。
* 前半終了時の交代策として、私は稲本に守備重視のプレーを徹底させることを前提に、(1)西沢→柳沢(2)小野→森島(3)西沢→柳沢+稲本→市川の3つの案を考えていました。とにかくポストとして中途半端な西沢を変えるか、(効果のほどは怪しいですが)森島効果を狙うか。逆転を狙うなら森島の神通力にすがって(2)もありかなと思っていたのですが、どれも外れました(後半35分くらいから本山が欲しいとか思いました)。なんとかワンチャンスだけものにして、せめてPKになってくれと思ったのですが、残念ながら叶いませんでした。
* とにかくまた次の4年が始まります。私としては、プレッシャーのある中でのボール回しにもっと慣れてもらいたいと思います。アイディアを生かすための基礎としてやっぱりこれが必要です。そのためにはやっぱり緩慢なプレッシャーしかかからないJリーグから出てもらいたいですね。Kリーグがそんな環境であるとは思えませんが、今日日本代表と韓国代表の試合を見て、日本の「何も考えずにボールを受けている」ように見える点が一番気になりました。
* あと今日の試合で思ったことといえば、やっぱりヴィエリはすごい、ということ。ロナウドと並んで世界最強のストライカーでしょうね(なんて贅沢なんだインテル!)。自分の動くスペースを創るための体の使い方が非常に巧いなと思いました。あ、ちなみに世界最高の「FW」はラウールだと思っています。ストライカーとして最も必要なものをずば抜けたレベルで持っているのがロナウドとヴィエリで、FWとして必要なものを全て持っているのがラウール。ラウール+ロナウドが世界最強の2トップだと思うんですが、レアルで実現しないですかねぇ。
* 日本代表、お疲れ様でした。そして4年後、さらに強いチームになって楽しませてください。韓国代表、もうここまできたら決勝まで突っ走って2度と書き換えられない記録を作っちゃってください!
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