日記。

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2003年09月06日
The Peak

* 今日は今年唯一確定していた目標、富士登山を決行してきました。

* 前日夕方から富士へ移動、富士IC近くに宿をとってゆっくり力を溜めるはずだったのですがいきなり目論見外れ。遠足前日の幼稚園児のように眠れません。少なくとも1時半までは起きていて、次に目が覚めたら4時。何時間で登れるか見当もつかない私としてはもう出発しておいた方が良い時間です。

* 結局ホテルを出たのが4時半、五合目についたのが5時半。日が昇り始める涼しい時間で人も少なく、快適な登山になると思われました。

* ・・・が、そんなに、というか甘いところは全くありませんでした。富士山。私の基本コンセプト、「他人様に迷惑をかけない」を死守するためにペースはこれ以上ないほど遅く、慎重に体力を温存しながら行ったのですが、なんとか想像の範囲内で登れたのは7合目くらいまで。
その後は空気の薄さに体力の回復が追いつかなくなり、少し登っては休み、小屋の有無に関係なく座り込んだり横になって休むことの連続でした。
登りのうちは必死で気がつかなかったのですが、高地で眠っちゃだめですね。どうもかえって酸欠の症状が進むらしく、20分ほど眠ってしまった後は例外なく頭痛がひどくなっていました。筋力は戻っているのでまた休み休み登れるのですが、頭痛と肺の弱りかたは相当なものでした。

* そんなこんなで到達したのはなんと13時。7時間半も登っていた(り休んでいたり眠っていたりした)ことになります。その間女性や子供、お年寄りにもガンガン抜かれるし、8合目くらいから見たときは雲一つないという感じだった山頂が、たどり着いたら霧で真っ白だったりしましたが、登頂自体にさすがにかなり満足。
下りは皆さんラクだラクだと良いながら降りていたし、空気もこれからどんどん濃くなるし・・・と淡い期待を抱いたりもしました。

* その下り。
登りに負けず劣らずの辛さでした。「下りは登りと使う筋肉が違うから今のしんどさとはあまり関係がない」これはおっしゃるとおり。
しかし、その筋肉で支えるべき体重は重すぎました。試しに他の人と同じノリでポンっと降りてみたら膝と腰にヤバイ衝撃が。・・・調子に乗らず、上り同様コツコツと降りることを即座に決定しました。

* で、その下り用筋肉、想像以上の負荷がかかっているらしく疲労のペースは上り以上。負荷が激しいのは運動のバリエーションが少ないから、というのもあるらしく、9合目にたどり着いた時点で特定の筋肉にかなりのダメージが溜まっていました。

* そして、もう一つのダメージが渇き。500mlのペットボトルを3本持参し、頂上までで2本を消費したのですが、残りの1本を8合目までに飲みきってしまいました。この時点では気がつかなかったのですが、この登山を通じての体内の水分消費はすごいペースだったらしく、水が切れた途端に渇きを感じるようになりました。それまでは渇きを感じるたびに少しずつ飲んでいたので気にならなかったのが、飲みきった途端に急に現実のダメージとなって襲ってきました。取り返しのつかないミスをしたと気がつくのには30分とかからず、1時間もすると唾液もほとんど出ない状態になりました。唇はもちろん、皮膚や、ひょっとすると眼球なんかからも水分が少なくなっているんじゃないかという感覚です。汗は勿論出ませんし、こんなに体内から水分が切れたのは初めての経験でした。
どんなに寒くても雨が降って欲しいと思ったし、指をかみ切って血をすすろうかと思ったくらいです。そんなことを考える一方、「今なら顔やせしてるかも」とか思いました。今思えば、なぜここで自分の顔をデジカメで撮っておかなかったのか、残念でなりません。

* 途中の小屋で他の下りの方に水分をもらおうかとも思ったのですがそこがまた難しいところでここは死守。で、なんとかギリギリ6合目までたどり着いて、ラーメンを食べることができました。味のほどはろくでもないものだったはずなのですが、さっきまでどこにも水分がなかった私には天の恵み。スープをすするたびに唇や内臓はもちろん、顔に水分が染み渡っていくのを感じました。顔やせ解消です。

* 結局クルマにたどり着いたのは18時半、全体で13時間の旅程でした。

* 「単独はキツイ」と言われていたのですが、正直精神的なしんどさはそれほど感じませんでした。初めからコツコツいくと決めていましたし、「いつか登れる、登れさえすればあとはどうでもいい」と思っていたらどうにかなるものです。それなりに体力の限界らしいものを感じましたがその都度越えられたわけで、『修羅の門』の「人の力は奥が深い。限界と思っているところがまだ2割か3割よ」という台詞を思い出してしまいました。

* が、ここで逆に大事だったのが単独登頂だったこと。見栄を張って登る早さや休憩時間を他の人のペースに合わせたり、逆に合わせて貰うことを気にしてしまったりしたら、これほど体力を温存しながら登ることはできなかったと思います。この登山を通じて私が自分自身のこととして知ったのは、「苦労は一人でしろ」ということですね。

* 他にも、13時間もひたすら一人で考え事をしただけあって、いろいろと気がつくことがあっていい経験にはなりました。が、登る前に知りたかった一つの問い、「もう一度登るか?」に対しては、「もう絶対にイヤ」というのが本音ですね。次に登るときは、せめて体重が70kgを切ってからにします。80kg以上であの下りは危険すぎます。あれだけバランスを崩しながら今膝と腰が無事(そうでもないかも)なのはほとんど奇跡だと私は思います。

* とりあえず富士山との直接対決は終わりました。明日からは日焼けと筋肉痛との戦いです。


みなさまのあたたかいつっこみ
guest さん 2003/09/08 09:13 ( 220.144.156.38 )

降りがきつくなるのは、これからですよ。
階段降りれるかな?

hide さん 2003/09/08 21:28 ( 220.97.253.133 )

階段は斜め60度(横向きに近い)、車いす用スロープで20度くらいが今日の基本でした。
明日は階段で45度を目指します(笑)。

guest さん 2003/10/06 10:07 ( 220.144.154.182 )

あれから一月...
やっぱり筋肉痛でおなくなりになってしまったのでしょうか...

hide さん 2003/10/09 23:39 ( 220.98.94.137 )

ぎく。
えー、だいぶサボり気味です。
「あ、これ結構いいネタかも」と思った日はあったのですが・・・とりあえず生きてます。

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