日記:99年6月

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<99年6月の主な出来事>
就職活動・・・
怪しい体調不良。結核か?AIDSか?



6/4
[廻り始めた運命の輪とまがいものの夢。]
今日も就職活動が一歩前進。面接ではないのだが、かつてのお客さんに会い、やってみないかと言われている事業の説明や期待役割を聞かせてもらった。非常に興味を持ったのはその創業者である日本人のことである。日本の大学を卒業した後USでMBAを取って、そのまま事業を始めてしまったという人物で、普通の人間とつき合うのは苦手という気むずかしい人間らしいのだが、自分の事業の成功には絶対の信念を持っているらしい。私はまだこの類の人間と話したことはないのだが、彼の下には人材が不足しているらしく、もし参画を決めれば話す機会も増えそうである。
いつかは自分で事業を興したいと思っている私にとっては、自分がそんな器であるかどうかを知るための非常に良いチャンスである。私のライフプランの中での意味は極めて高く、本来であれば諸手を挙げて参加させてもらうところだ。とりあえず月末には会う機会を設けてもらったので非常に楽しみである。
他にも来週以降いくつかのコンサル及び事業企画の話が上がっており、三国志6で言うところの『周囲の動きが慌ただしくなってきました』という状態である。
にも関わらずなぜ躊躇しているのか。それは、『いつか起業したい』『ずっと市場価値を高め続けたい』という私の夢がまがいものだからだ。私の本当の夢は周囲に言い続けていることに比べて遙かに小さい。起業の夢は所詮その代償行為でしかない。だからこそもう半歩を踏み込む意志が出てこないのだ。せっかく逃げ場をなくして臨んだこの年、さっさと覚悟を決めねば。

6/5
[名将トゥルシエ]
みなさんNumber最新号「名将の条件。」を読まれただろうか。サッカー界、野球界、ラグビー界の名だたる名将についての記事が満載で必読である。およそスポーツ選手というのはみな自分が衆に優れているとの自負が強く、扱いにくいという点ではこの先増えていくだろう、自称プロフェッショナルのビジネスマン達と同様である。いつかこういったビジネスマン達をマネージしリードする人間になりたいと思っている私には監督の選手管理の手法は非常に興味深く、記事や本にはできるだけ目を通すようにしている。
さて、サッカー日本代表でA代表からユース代表まで任されたフィリップ・トゥルシエ。彼自信の言葉で書かれているようなこの記事には、今後4年の日本代表をどう育てていくかの構想がたっぷりとかかれており、そこには日本代表に対する愛情さえ感じて、久々に感動させてもらった。金で手腕を買われてやってきた監督でありながらこれだけのコミットメント。超一流のプロフェッショナルたる資質を感じつつ、ちょっとでも近づけるように心がけようと、気を引き締める意味でもためになった。皆さんにも是非目を通してほしい。

6/7
[勝負月。]
ここ数日のうちにやたらと多くの面接予定が入ってきた。今月中に転職関連の予定がなんと6回も予定されている。これだけやって全部コケてしまうとさすがに次の機会は大分先になってしまうだろう。最近盛り上がってきたなと思っていたら突然の修羅場である。
最近学生の時の就職活動を思い出すことが多いのだが、私は初めの『ラッシュ』と言われる時期の面接に落ちまくり、最後の最後でやっと2、3の内定を取れたというスロースターターである。また、雀鬼流の勝負師として流れを考えても、今週や来週の面接ではまだ受かる気がしない。ちなみに言えば私の「勝つ」予感は半分も当たらないが、「負ける」予感は大はフラれるフラれないかから小は(麻雀で)自分の手が和了れるか和了れないか、雨に降られるか降られないかまで、99%以上と言ってもいいほどの驚異的な的中率を誇っている。
実績から見れば、受かるとすれば勝ち目の出てくる月末ということで東京を離れなければならない某社ということになるのだが、正直いまいち気乗りがしない。果たしてどうなるのだろうか??
全く関連のない話だが、そういえば来月は予言の月。さんざんあがいた直後になにもかもパーになったりして。それもまた一興、か?

6/15
[夏バテできゅー。]
年のせいだろうか、ここ数日異常に体力が不足している。先週は冷房の下で寝る日が続いたり、風邪のせいで一晩中目が覚めるほどの咳をしていたりしたのだが、今週はそれらに気を付けて生活している自負はある。
ということで、困った私は毎食2人前の食事を食べてとにかく体力の回復につとめている。おかげさまで体重計に乗るのが非常に怖い。ちょっと体力が回復したらダイエットを始めてまた体力不足という悪魔のサイクルに足を突っ込んでいそうなのが心配だ。

6/16
[不快指数500%]
暑い。
確か今月は一般に梅雨と言われる時節のはずだが、東京はやけくそに暑い。梅雨っぽいのは湿度だけで、気温は毎日28度くらい行ってるんではなかろうかというほどである。一方、我が家の寝室にはまだエアコンがついていない。一日中窓を開けっ放しにしてはいるものの夜の寝苦しさは尋常ではなく、枕元に敷いてあるバスタオルは毎朝びっしょりになっている。扇風機を半裸(もしくは全裸)の体に直撃させていた京都時代を思い出すほどのうっとうしさ。ボーナスもその70%ほどはカードの引き落としで溶けてしまうことになっているのだが、もはやエアコンなしでは眠れそうにない。
そういえば、いつの間にか生活が贅沢になったというのも一理あるのだが、毎晩毎晩汗をかきまくるほど水があまっている自分のカラダにも相当問題があるような気がしないでもない・・・

6/20
[パスタポットとカレー鍋]
今週は、先週買ってきたパスタポットにどーんとカレーを作ることを試みた。ぶっちゃけた話これは失敗で、どうもカレーというのはもっと厚手の鍋で作るべきだったらしい。パスタポットというのは、熱伝導率を高くするために非常に薄く作られているため、水以外のものを入れて暖めようとするとあっという間に焦げてこびりついてしまうのだ。
これはそのまま私が経験してしまったことで、数度にわたってカレーを温めなおした我が家のパスタポットの底は一面焦げだらけである。今日は丸一日水につけて、今晩金たわしとクレンザーで磨かなくてはなるまい。ということでカレーには焦げた香りが染みついてしまって、またしても失敗である。くそ。

6/22
[落ちた!?]
今日は(と言いつつこれを書いている時点ではもう昨日のことなのだが)とある戦略コンサルティングファームの2回目の面接を受けてきた。負けることに関してはほとんど外れない私のカンによれば、どうも今回は落ちているようだ。
まあ結果は結果で良いとして、おもしろかったのはこの面接が1時間という長時間にわたって行われ、自分の適性が深く掘り起こされたことだ。前回の面接ではそれなりに大きなことを言って(いわゆる「戦略レベルの」こと)好感触を持ってもらえたのだが、今回のようにいろいろなケースを挙げられて考え方をどんどん突き詰めて質問されると、自分が自由なひらめきよりもプロセスを分析的に見て考えていく人間であることを思い知らされる。どうもこのへんの感覚が純血の戦略ファームには合わなさそうに思えて、とりあえずは「落ちた」と感じている。
とにもかくにも、人を見る目のある人間に徹底的に審査されるというのは非常に有益である。こちらも余力のある限り「どんな切り返し方が効果的か」とは考えるのだが、一定以上のレベルの人間の判断を眩ますような(かつ嘘にならないような)応対をするのは非常に難しく、また今回のように客観的に自分を審査してもらいたい場合は不適切でもある。正直に考えて答えて、「ああ、自分はこんな風に考える人間だったのか」と感じることは私的には非常に楽しい。これからも怒濤のような面接があるのだが、本当に楽しみである。

6/24
[魔性のヒキ。]
今日は非常に不謹慎なことを書く。
ここの日記を良く読んでいる方はご存じかと思うが、私は現在就職活動真っ最中である。新卒の就職活動だけでなく中途採用者の採用活動も、原則的には平日の通常勤務時間、朝は9時から夜はせいぜい8時くらいまでしか行われていない。当然私の勤務時間ともダブっているわけで、面接に行くためのスケジュール調整に非常に困っていた。
あわゆくば1ヶ月くらい休職できたらなあと思っていたら、なんとアサインされていたプロジェクト自体が凍結になってしまった。ここぞとばかりに約10日間の休みをもらい、就職活動及び療養にあてることにした。
最近の流れからからいってここ1ヶ月くらいが転職先を決めるヤマだと思っていたので、私としては願ったり叶ったりである。本来プロジェクトが凍結したというのはコンサルティング会社の社員としては嘆かわしいことではあるのだが・・・
常々人生の節目のヒキはかなり強いと思っていたのだが、こんなに他人の都合を省みないほどに強いとは思わなかった。オニ引(び)きである。

6/27
[クルマが欲しい!!]
どうも最近我が愛車MR2のエンジン音が怪しくなってきた。私の駐車場は立駐なので、上げ下ろしの間アイドリングさせたまま待っていることが多いのだが、昔よりもだいぶ振動が大きくなってきたような気がする。
一方では退職金およびインセンティブ(移籍金みたいなもの)が入る可能性も(ほんのちょっぴり)あり、ひょっとすると一時金だけで私の欲しいクルマの半額くらいは出てしまうのではないかという願望もフツフツと沸いてきている。ちなみにそんなあぶく銭で欲しいクルマの候補としてはインテグラtypeR、シビックtypeR、シルビアS15等が挙がっている。
『買いたいから調子悪く見えるだけじゃん』ごもっとも。そんな気もかなりするし、私は新しいものが手に入りそうな時点で古いものがすぐいらなくなるヤツなんだろうとも思う。ふと思い立ったのだが、これが嫁さんだったらどうなるんだろうと思ってちょっとゾッとした。



あ、これが杞憂ってヤツっスか。Yさん。

6/29
[キョーフの契約交渉。]
今日もちょっと就職活動が進んだのでその進捗を。
現在私が転職先として考えている企業の中で、ここ数日かなり乗り気になってきた某社から、○○万円という打診があった。現在の年収総額からして約100万円のダウン。東京から離れるということでひょっとすると減少額と同等の節約ができるのかもしれないが、ちょっと根性を出して「プラス50万円希望」と返答した。
ホンネではもちろんこのくらいは欲しいのだが、こんなに勇気が必要なメールを送るのは久方ぶりである。なんといっても市場がつけた値段に自分の主観も入っているであろう査定額を突きつけたのだ。世間知らずスレスレ(というかそのもの?)な物言いということでかなり気合いが入った。この先もこの手の交渉は増えるのだろうが、分をわきまえるのと妥協とをきっちり見極めて、長期的に損のない結果にしなくてはなるまい。

6/30
[ココがヘンだよ日本人]
数日前に書いた理由により、明日からまた11連休。今日もかなり早めに帰って『ココがヘンだよ日本人』を見た。この番組が他の議論もどきの番組と違って良いところは、ところは、日本人だらけの番組と違って『落としどころ』がないところだ。だいたい日本人ばかりで話し合う番組というのは、ある程度価値観や感性が近い(と思いこんでいる)ために、おおまかに『支持されるべき主張』というのが番組全体の雰囲気としてあり、それに沿ったかほんのわずか視点をずらしたか、その程度の主張しか出て来ず、まったく面白くないというのが常である。一つの国の国民ということで価値観の方向性を与えられることさえキライな私は当然そんな番組は大キライである。

その点『ココヘン(たった今作った略称)』は元々参加者の国籍がバラバラなために押しつけがましい決まりもなく、司会者であるビートたけしも常に中立の立場を保っており、参加者が我を忘れて自分の主張に没頭しすぎた場合はうまいこと場をコントロールしてくれるため、視聴者たる私が退屈(=不満)に思う時間が極めて少ない。ということで私的には非常にオススメである。

ところで、今日のお題の一つは『過去に迫害を受けた国はそれを忘れるべきか(忘れることができるか)』だったのだが、これに対する東アジア人とアフリカ人の答えの違いが面白かった。おおざっぱに言うと、アフリカ人は『個人的にはとんでもない迫害を受けたから個人的には非常に嫌な思いもあるけど、もう蒸し返してもしょうがないし、歴史的に見てもそれにこだわって外交が遅れていくのは無駄でしかない』という主張。これに対する東アジア人の主張が面白く、『かつて我々を迫害した日本に対し排斥的な国民感情を持つことが歴史の流れを滞らせることになる可能性があり、それは無益に近いとも思う。しかし我々の係累が暴行を受けたのですよ。あなたはなぜそれを許せるのですか』これの繰り返しである。こうして字面で書くとちゃんとアタマと感情を分けているように見えるのだが、話している本人は完全にヒートアップしていて、数十秒ごとに歴史的意義と個人的感情との間を行ったり来たりしているのだ。

実はこれに類する無駄な議論(もどき)というのは会社勤めをしているといくらでも見受けられる。皆さんこういった主張をする人を見かけたら、話しかけるのは怖いかも知れないが『つまりこういう立場に立てばこう思い、こういう立場に立てばこう思うというのがあなたの主張なのですね』と注釈をつけてあげよう。



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