* 今日はアテネに入ったんですが、それは又明日。今日は全然関係ない話を一つ。
* 私は5月から知人の会社の取締役をやっています。今のところ私個人で受けている契約が別にあるのでほとんど役に立てず申し訳なく思っているのですが、その社長の方とのmailのやりとりでこんなことがありました。
* hide「私がこの先仕事を受けるときには、社長さんの信用を落とさないようにしないといけませんね」
社長さん「いや、あなたは取締役なんだから、私の信用がどうのとか気にしなくて良いんだよ」
* 社長さんにとって「気にしなくて良い」わけはないんですが、これは要するに「あんたをウチの看板を背負って動く人間として俺が選んだんだから、あんたがなんかやっちゃってもそれは選んだ俺が悪いんだよ」ということなのだと私は解釈しました。
* なんと重い一言か。
私は今まで仕事の一つ一つについて期待水準を明らかにしてもらって、それを達成できたときにお金をいただくという形でずっとやってきました。自分を雇っている会社に対してもそういう関係でしたので、できなかったらお金をいただけなかったりクビになるけど、やりさえすれば誰にも文句は言われないと、ある意味とても気楽な関係でした。
* 今回はその期待水準がないんです。
「期待水準を決める権限もあなたにあげます。それでも役に立ってくれるはずです」ということです。頼む側からするとこんなにリスクのある雇用形態はありません。雇用する側が委ねたのは無形の「信頼」で、雇用される側はこの無形の「信頼」に応じたものを提供することを約束する。なった後に気がつきましたが、取締役というのはそういうことだったようです。
* 組織人として一番ラクなのは「期待水準が決められてない人」。
次にラクなのは「期待水準を決められている人」。
結構キツイのが「期待水準を決める人」。
私が今まで意識してきたのはここまでですが、もっとキツイ立場として、「期待水準を決める必要がないと信じられている人」というのがいるんですね。そしてその上に、「他人を信頼して自分のリスクを預ける人」がいる。
* もう社会人も10年目ですが、やっと理解しました。世の中ホントにキツイ仕事をやっている人がいます。私もなんとか全力を尽くしたいと思います。
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